- デルタニュートラル戦略は現物仮想通貨を保有し、それと同額のレバレッジ1倍ショートポジションを保有する
- デルタニュートラル戦略ではファンディングレートという金利のタダ取りを狙える
- デルタニュートラル戦略をやるならBybitがおすすめ
投資においてノーリスクで利益を得られる方法はありません。
特に、仮想通貨ではボラティリティが高く、非常に値動きが激しいため、安定したトレードには不向きであるともいえるでしょう。
しかし、Bybitという取引所にてファンディングレートという金利を利用したデルタニュートラル戦略を取ることで、資産を減らすことなく低リスクでおいしい金利を稼げるのです。
後程詳しく解説しますが、2021年に入ってから実際に100万円をこの方法で運用した場合、毎日1万円ほどの利益を生み出せるような相場が続いています。
そのため、現在、仮想通貨を長期保有だけしていて値下がりのリスクにさらされている方や、資産を銀行に預けたままで資産運用を全くしていない方には非常におすすめです。
そこで本記事では、「資金調達率って何?」という方から実際にBybitで口座開設を既に済ませている方まで誰が読んでもデルタニュートラル戦略が分かる様に詳しい概要や手順について解説していきます。
Bybitで行われるデルタニュートラル戦略とは
仮想通貨の効率的&低リスクな資産運用
デルタニュートラル戦略とは、レバレッジ1倍のショートポジションと、ショートポジションと同額の現物を保有して低リスクで資産を運用する方法です。
低リスクな運用方法と聞くと思わず「これ詐欺じゃないの?」と思う方もいるのではないでしょうか?
しかし、デルタニュートラル戦略は、もともとオプション取引における用語で、従来からあるしっかりとした投資戦略です。よもや、あやしいツールの購入などは一切必要ありません。
仮想通貨におけるデルタニュートラル戦略の仕組みを理解するには、以下の2つの要素をおさえるする必要があります。
- 無期限先物取引
- 資金調達率(ファンディングレート)
「だたやり方だけ知って稼げればいい」という方は、この章を読み飛ばしてもらっても構いません。
無期限先物とは何か?
無期限先物とは、ポジションをいつでも決済できるレバレッジ取引です。専門用語を使えば、満期が無い先物取引のことを指します。
満期のある先物契約では、現物価格を基準として満期でポジションが清算されるため、現物価格とは乖離しない傾向があります。
一方で、無期限先物は、その名のとおりポジションの決済期限がない先物を指します。
そのため、無期限先物契約では現物価格とは関係なく価格が動いてしまう可能性があります。
特に、 急騰・急落が起こっている加熱した相場では、現物価格と乖離してしまう可能性が高いといえるでしょう。
そのため、無期限先物契約ではファンディングレートというしくみを用いて、現物価格との乖離を調整しようとする訳です。
ファンディングレート(資金調達率)とは何か?
ファンディングレートとは、無期限先物契約と現物価格との価格乖離を抑止するために設けられている手数料のことです。「資金調達率」とも呼ばれます。
簡単に言えば、レバレッジをかけた取引と、仮想通貨の現物取引の価格の差をなるべく小さくするために設置されている手数料となります。
従って、ファンディングレートの手数料率は常に一定とは限りません。
適用されるレートは、その時点の相場の動向から一定時間ごとに計算され、そして1日の決まった時間にポジション保有者から徴収、またはポジション保有者に対し付与されます。
例えば、無期限先物契約(レバレッジ取引)の価格が現物価格よりも高いとします。
無期限先物契約の価格を現物価格の価格に近づけるためには、売り(ショート)ポジションを増やす必要があります。
この時のファンディングレートは、買い(ロング)ポジション保有者からファンディングレートを徴収し、ショートポジション保有者に支払うよう設定されます。
こうすることで、ロングポジションの量を抑制し、ショートポジションの量が増え、結果的に価格の乖離が小さくなります。
無期限先物契約の価格が現物価格よりも安ければ、上記とは逆のことが行われることになります。
なお、ファンディングレートは「マイナスかプラスか」によって、支払う側と受け取る側が変わります。
ファンディングレート | マイナス | プラス |
---|---|---|
ロングポジション保有者 | 受け取る | 支払う |
ショートポジション保有者 | 支払う | 受け取る |
例えば、上記画像の資金調達率は0.01%のプラス手数料です。
およそ3時間半後に、ロングポジションを持っている人は自身のポジションに0.01%をかけた金額を支払い、ショートポジションを保有している人は自身のポジションに0.01%をかけた金額を受け取ります。
Bybitのファンディングレートの特徴とは?
Bybitでは、原則として以下の3つのタイミングで資金調達料の徴収または受け取りが行われます。
また、ファンディングレートは相場の状況によってプラスになったりマイナスになったりと変動しますが、どちらか一方が中長期的に継続することがあります。
出典:coinglass( https://www.coinglass.com/en )
例えば、2020年12月13日~2021年3月10日まで、Bybitのビットコイン (BTC) 無期限契約における資金調達率はすべてプラスとなりました。(上記画像の緑の棒グラフが資金調達率、黄色折れ線グラフがビットコイン価格)
なぜこのようにファンディングレートのプラスが継続しているのかというと、 ビットコイン (BTC) が長期的に価格上昇すると考える人が増えたことが要因だと思われます。
結果として、ロングポジションをとる人が大幅に増え、ショートポジションが少なくなり、無期限契約の価格が現物価格よりも上昇したのでしょう。
このような上昇相場でロングポジションをとることは、うまく上昇の波に乗れることができたら値幅益を得ることができますが、長くポジションを持っていると毎日ファンディングレートを継続的に支払う必要があります。
例えば、ファンディングレートが0.2%の際に100万円分のポジションを持っていたら、1日3回資金調達の送受があるので
100万円 × 0.2% × 3回 = 6,000円
となり、毎日6,000円がとられてしまう事になります。もしポジションが1,000万円であれば、毎日6万円がマイナスで飛んでいくことになります。
ですが、反対に考えると資金調達率がプラスの状態でショートポジションを持つと、毎日継続的に金利をもらい続けることができます。
8時間ごとに金利は変化しますが、仮に100万円分のビットコイン (約0.2BTC) のポジションを構築しており、上記の金利が一ヶ月間続いたとすると、
100万円 × 0.2% × 3回 x 30日= 約18万円
となり、ポジションを保有するだけで月収20万円弱を獲得できるわけです。
Bybitで行うデルタニュートラル戦略のやり方・稼ぎ方
Bybitでデルタニュートラル戦略を使って稼ぐには、次の3つのタスクを行います。
- ビットコイン (BTC) を現物で保有する
- ビットコイン (BTC) 無期限先物において現物保有分のショートポジションを保有する
- 資金調達料を受け取る
上記を行うことで、仮想通貨における価格変動のリスクがほぼゼロになり、かつ金利を稼げるようになります。
以下では、実際にビットコイン(BTC) でデルタニュートラル戦略を組み、具体的なやり方を解説していきます。
STEP1 Bybitの口座を開設しビットコイン (BTC) を保有
Bybitの口座をまだ開設していない場合は、以下のボタンから口座開設を済ませます。
Bybitの口座は、18歳以上の方ならどなたでも開設でき、登録手続も5分ほどで完了します。
STEP2 ビットコイン (BTC) を現物で保有する
次に、デルタニュートラル戦略で扱うビットコイン (BTC) を仕込んでおきましょう。
まだ手元にビットコイン (BTC) がない方は、以下のいずれかの方法を使ってBybitに入金してください。
- 国内の仮想通貨取引所で購入し、Bybitへ送金
- Bybitにてクレジットカード決済を行って購入
1つ目の方法を取る場合は、bitFlyerの利用がおすすめです。
bitFlyerは日本の老舗取引所で、堅牢なセキュリティと使いやすい取引画面で人気の取引所です。今までに一度もハッキング被害に遭ったことがなく、初心者でも安心して仮想通貨の購入が可能です。
bitFlyerでビットコイン(BTC) を仕込んだら、以下の記事を参考にBybitへ送金してください。
なお、ビットコイン (BTC) の送金は平均して30分から1時間ほどかかるので、すぐに着金しなくても心配はいりません。
なお、Bybitでデルタニュートラル戦略を取る際に押さえておきたいのは、現物のビットコイン (BTC) を保有することは、レバレッジ1倍のロングポジションを取っていることと同義であるということです。
なぜなら、ビットコイン (BTC) の価値が上昇すれば、自身の資産価値が上昇するからです。そして反対に、ビットコイン (BTC) の価値が減少することにより、資産価値が減少するリスクを抱えています。
STEP3 Bybitのインバース無期限契約でビットコイン (BTC) をレバレッジ1倍でショート
次に、インバース無期限先物において、レバレッジ1倍のショートポジションを保有します。
この時、保有する現物ビットコイン (BTC) の量と、ショートポジションの比率が1:1になるようにしてください。
具体的なやり方は、Bybitにビットコイン (BTC) を入金出来たら、「デリバティブ」→「インバース無期限」→「BTCUSD」を選択し、取引画面を開きます。
Bybit (バイビット) での注文の仕方
Bybitデレバレッジ取引をした事が無い方に向けて、注文画面での操作を説明します。
① マージン変更画面:
ここでレバレッジモードを選びます。
Bybitでは、証拠金の一部にレバレッジをかける「分離マージン」と全額にかける「クロスマージン」があります。デルタニュートラル戦略を行う際は「分離マージン」を選択します。
② レバレッジ倍率変更画面:
かけるレバレッジを指定します。ここは必ず1倍にしてください (写真では65倍になっています)。
③ 契約%指定画面:
保有資産の何%を契約するかを指定します。
再度①〜③を確認した後に、右下の「売り/ショート」を押すと注文が飛びます。
以上の手順で、デルタニュートラルなポジションを構築することができました。
デルタニュートラル戦略を構築後、ビットコイン (BTC) の価格が上昇すると持っているショートポジションの未実現損益はマイナスになります。
しかし、その分、現物保有する資産価値が上昇し、収支は一定で保たれているので安心してください。
もちろん、決済価格などの影響で少々変動はありますが誤差の範囲で、気にする必要はありません。
STEP3 資金調達料を受け取る
最後に資金調達料を受け取ります。 といっても特にやることはなく、8時間ごとに勝手に利息が入ってくると言った方が正しいです。
Bybitでは日本時間の1時、9時、17時と8時間ごとにポジションに応じた資金調達料が計算され、自動的にウォレットに付与されます。
以下、資金調達率が0.2%の時の資金別の金利受け取りシミュレーションです。送金時の参考にしてください。この時、ビットコイン (BTC) の価格は1BTC=600万円とします。
送金仮想通貨金額 | 1日に受け取れる資金調達料 |
---|---|
10万円 | 600円 |
100万円(約0.2BTC) | 6000円 |
600万円(約1BTC) | 3万6000円 |
1000万円 | 6万円 |
1億円 | 60万円 |
以上の手順のように デルタニュートラルなポジションを構築し、資金調達料を活用して利益を出すというのが仮想通貨投資におけるデルタニュートラル戦略です。
Bybitのデルタニュートラル戦略がノーリスクの理由
価格上昇してもトータル終始が変化しないとはどういうことか
デルタニュートラル戦略によって、レバレッジ1倍で1BTC分のショートポジションを建てた後、ビットコイン (BTC) の相場が10万上昇した時、及び10万円減少したときのケースを比較してみました。
ビットコイン価格 | (1)10万円上昇したとき | (2)10万円下落した場合 |
---|---|---|
1BTCの日本円の価値・・・A | +10万円 | -10万円 |
1BTCショートポジションの価値・・・B | -10万円 | +10万円 |
資産合計 (A+B) | 0円 | 0円 |
上記の表から分かるように、(1)相場が10万円上昇したときと 、(2)相場が10万円減少したときにおいて、日本円換算の資産額は一定で変化していません。
そして、現物の価値 (A) は相場が変化すると上がったり下がったりしますが、ショートポジション (B) によって相殺されるため、トータルの損益は0円となることがわかります。
上記のように、デルタニュートラル戦略は相場が上下どちらに行っても、トータル収支が0になるのが特徴です。
そのため、吐き出される資金調達率のみを不労所得として受け取れる訳です。
別の具体例も見てみましょう。
今回は、1BTC=500万円のときに0.1BTCを50万円で購入したとします。
1BTC=490万円に下落したとき資産価値は49万円となり、当初から1万円減少してしまいました。
この時、0.1BTCのショートポジションをレバレッジ1倍で持っていたとしたら、どうなるでしょうか。
ショートポジションの含み益は1万円となり、現物との損失と合算すると±0円となることがわかると思います。
つまり、現物保有額と同額のショートポジションを持つことで、ビットコインの価格変動のリスクをヘッジできるのです。
もしビットコイン (BTC) の価格が下落したときは、保有している現物資産は価値が減少しますが、このショートポジションによって減少した資産額と同額の含み益が生まれます。
逆に、ビットコインの価格が上昇したときは、ショートポジションによる損益はマイナスとなりますが、それと同額の上昇益を保有している現物資産で得られます。
その結果、手元には資金調達率として受け取れる金利のみが累積していきます。
Bybitでデルタニュートラル戦略を行う3つのメリット
メリット1 Bybitなら簡単にデルタニュートラル戦略が組める
Bybitはビットコイン (BTC) をはじめとする6つの仮想通貨建てでレバレッジ取引が可能なため、現物保有とショートポジションが1つの取引所で完結してとても効率的です。
Bybitで仮想通貨建てのレバレッジ取引ができるのは以下の6通貨です。
メリット2 低リスクで仮想通貨の資産運用が可能
デルタニュートラル戦略の一番の利点は、仮想通貨特有の高いボラリティーに左右されず、着実に仮想通貨の枚数を積み上げられることです。
もちろん、価格の急騰によってロスカットされてしまう可能性がまったくないわけではありません。
しかし、自身の保有する額の100%に1倍のレバレッジをかけたデルタニュートラル戦略の強制決済価格はかなり常識外れな金額のため、実際にユーザーが追うべきリスクは限りなく小さいでしょう。
メリット3 参入のタイミングを選ばない
一般的な取引だと、利益の確定や損切までの額などで頭を悩ますこともあるかと思います。
しかし、デルタニュートラル戦略では、ショートポジションを保有するだけで金利がもらえるので、利確や損切、さらには実際の相場感に関して必要以上にデリケートにならずにすみます。
Bybitでデルタニュートラル戦略を行う3つのデメリット
デメリット1 一攫千金は狙えない
Bybitのデルタニュートラル戦略で稼げるのは、保有するポジションの±0.3%ほどの手数料です。
この手数料は、自分の保有する仮想通貨にレバレッジ1倍でかかるので、元手を短期間で数倍にすると言った華々しい利益をあげることは理論上は不可能です。
ただ、資金調達料も年利に換算すると20%以上の高い利回りであることは確かなので、手持ちの眠っている資産をコツコツ増やしたい方におすすめです。
デメリット2 米ドルが暴落れば損失が出る
デルタニュートラル戦略を行える海外取引所では、米ドルが基軸通貨として用いられます。
そのため、米ドルが大きく下落すると、その分だけ損失が出てしまうでしょう。
ただし、米ドルのボラリティーは仮想通貨のボラリティと比べると大したことないので、考えすぎるのはかえってよくありません。
デメリット3 今後もずっと高金利かどうかはわからない
資金調達料の本質は、ポジションの偏りを補正するための施策です。
従って、デルタニュートラル戦略を組んだ仮想通貨、もしくは仮想通貨界隈全体が大暴落の時期を迎えると、金利が下がったり、ショートポジションに金利の支払いが発生する可能性もあります。
Bybitでデルタニュートラル戦略を行う歳の注意点
デルタニュートラル戦略で構築したショートポジションは、金利がプラスの間は金利を受け取り続けることができますが、仮想通貨が暴落した場合には注意が必要です。
このケースでは、現物価格よりも無期限先物価格が高くなってしまし、資金調達率がマイナスになる可能性があります。
そうすると、今度は逆に、ショートポジションの保有者が資金調達料を取られてしまいます。
対処策としては、いくらデルタニュートラルが不労所得であっても、日頃から資金調達率がどのくらいなのかを把握しておくことです。
そして、資金調達率がマイナスな状態が数日間続いた際には、ショートポジションを解消し、支払いをストップするようにしましょう。
また、資金調達率がプラスな状態が続くようであれば、再度同じ手順でショートポジションを建てるだけです。
仮想通貨デルタニュートラル戦略での運用成績・口コミ紹介
仮想通貨の金利について、Twitterでも以下のようなコメントがありました。
Bybitのデルタニュートラル戦略で金利を稼ぐ方法まとめ
デルタニュートラル戦略は低いリスクで金利をもらえる戦略で、仮想通貨取引の中では比較的安定した投資に入ります。最後にもう一度、要点を抑えておきましょう。
- レバレッジ一倍でショート
- ロスカットは現実的に起こらない
- 現物保有額と同額をショート
- Bybitでは分離マージンを使う
上記4点を抑えるだけで、金利が安定してもらえるデルタニュートラル戦略が構築できます。余剰資産で試してみてください。
また、今回ご紹介したのはビットコイン (BTC) を用いたデルタニュートラル戦略でしたが、もちろん他の仮想通貨でも同様に戦略の構築が行えます。
Bybitのインバース無期限取引では、ビットコイン (BTC) 以外にイーサリアム (ETH) 、イオス (EOS) 、リップル (XRP) ビットダオトークン (BIT) ポルカドット (DOT) でも取引可能となっているので、ぜひチャレンジしてみてください。
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